「自分でもケアできるようになったのが嬉しいです」
こちらの患者さまは、2022年9月に初診で来院され、現在まで定期的にメンテナンスを継続されています。
初診時には歯石やプラークの沈着が目立ち、知覚過敏の症状もありました。当初はご本人の口腔管理の意識は高くなく、メンテナンスに空白期間ができてしまうことも多々ありましたが、担当歯科衛生士による継続的なサポートのもと、徐々にご本人の意識にも変化が見られるようになりました。
以前は、歯ブラシは1日1回の夜のみ、2-3分で柔らかい歯ブラシを使用しており、補助用具の歯間ブラシやフロスは使用しておりませんでした。処方したV7歯ブラシも使い慣れないことからずっと使用していなかったとのことでした。
歯周病治療としては、SRP(スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット内の歯石やプラークを除去し、歯根を滑沢にする)などの専門処置を行いましたが、なかなか改善が進まなかったため、TBI(歯ブラシ指導)だけで何度か来院していただき、改めて正しい歯磨きの仕方の習得とトレーニングを行いました。
ご存じの通り、歯周病は生活習慣病の一つですので、歯医者に来てない時間、日常生活の中での食事や、歯ブラシの回数や内容に大きく依存してきます。
「歯磨きなんて、今さら・・・」から「歯磨きは、自分でできる大切な除菌処置」だという認識に変わっていくことが大切です。そういった観点から、歯医者と患者さまが二人三脚の治療と予防により、改善が進むもので、今回は患者さまご自身の努力の賜物でありました。
【BOP:歯肉が炎症を起こし出血している割合】
初期66% → 現在44%
【PCR プラークの付着度合い】
初期87% → 現在62%
と改善しています。
現在のセルフケア時間も、初期の約2〜3分から10〜15分にまで延長され、V7の使用やウォーターフロスなど補助器具、洗口剤としてハビットプロの選択にもご本人の意識の高さが反映されています。
定期メンテナンスでは、3ヵ月空いた期間にはBOP・PCRが一時的に悪化することもありましたので、現在は2ヵ月に1回の頻度で来院されています。
歯並びが叢生のため、どうしても磨きにくい箇所がありますが、そのご自身の口腔内の特徴をしっかりと理解され、正しい道具と正しい磨き方を継続され、積極的に取り組んでいる姿にリスペクトするとともに、歯科衛生士として大きな喜びを感じています。
年齢・性別 | 30代 女性 |
---|---|
治療期間 | 約2ヵ月(来院回数:8回)その後メンテナンス継続中 |
治療費(税込) | 保険適用 |
副作用とリスク | ・治療により歯肉が引き締まり、歯間部に隙間が目立つようになることがあります。歯石除去後、一時的にしみる症状が出ることがあります。 |