【確認】セルフケアの意識向上とレーザー治療を併用した歯周病治療の症例
セルフケアの意識向上とレーザー治療を併用した歯周病治療の症例
こちらの患者さまは、歯肉からの出血と痛みを主訴に急患として来院されました。初診ではカウンセリングと検査、口腔内写真の撮影等を行い、その後に本格的な歯周病治療を進めることになりました。
初診時のPCRは89%と非常に高く、全体的なプラークコントロール不良が見受けられました。
このPCRとは、プラークコントロールレコードの略で歯の表面にどれだけ汚れ(プラーク=歯垢)が残っているかを示す数値です。目安としては、80%以上が要注意!歯周病リスクが高い状態。50~70%はまだ改善が必要、20~30%以下が良好なセルフケアができている状態とみます。
治療内容とアプローチ
●スケーリング(2回)とV7歯ブラシによるTBI(歯磨き指導)
まずは歯間部の歯石を除去しやすくするため、縁上のスケーリングを中心に実施。
歯石除去後にV7歯ブラシの使用法を説明し、特に歯頚部(歯と歯ぐきの境目)と歯間部(歯と歯の間)を丁寧に磨くようアドバイスしました。
●SRP(5回)と再SRP(4回)
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)とは、上記のスケーリングとともに、歯ぐきの中(歯周ポケット)に入り込んだ歯石や細菌、汚れた歯の根っこの表面をなめらかに仕上げる処置になり、この処置を複数回に分けて行いました。
歯肉増殖が大きい部位については、患者さまの同意を得た上で、レーザー治療による切除を併用しました。SRPは麻酔なしで対応可能でしたが、レーザー施術時にはより強い痛みを伴うため、局所麻酔を使用しています。
●セルフケアの工夫とモチベーションの維持
スケーリング後の歯間空隙(歯の隙間)の拡大により、「歯ブラシが難しい」との声がありましたので、代替としてタフトブラシやサイズに応じた歯間ブラシを提案し、継続的なTBIに取り組んでいます。
また、毎回の治療時に口腔内写真を撮影・提示することで、患者さまご自身が変化を実感できるよう工夫し、結果的に通院のモチベーション向上に繋がりました。
患者さまの声
奥様の勧めがきっかけで治療を開始されましたが、「だんだんきれいになって、家族にも驚かれた」「口臭もなくなり、写真を見比べるとすごく変わった。来てよかった」とのお言葉をいただきました。
メンテナンスと今後の課題
年齢・性別 | 30代 男性 |
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治療期間 | 約6ヵ月(来院回数:14回) |
治療費(税込) | 保険適用 |
副作用とリスク | ・治療により歯肉が引き締まり、歯間部に隙間が目立つようになることがあります。 ・歯石除去後、一時的にしみる症状が出ることがあります。 |